「今日からしけたろうヘッドの面白さにウットリしたい人のためのブログ」…まちがえた「今日から野球ファンになった人のためのブログ」(略して「きょうろぐ」)にて、以下のような企画記事があります(コメント欄でも参加可能ですよ)。
◆「おすすめ野球マンガ」の記事を募集!
いちおう漫画家であるワタクシがプロデューサーという名の「応援団長」をつとめる「きょうろぐ」です。
「カネシゲはいったい何を紹介するのか?」と興味深く見守ってくださってた方もおられるでしょう。
僕がオススメする一冊はこれです。
荒川道場
ほり のぶゆき
きっと、誰も知らない。
平成8年に初版が出ているので、今から10年近く前に刊行された漫画ということになります。
「パロ野球ニュース」という漫画雑誌で時期をとびとびに連載されていたものを、一冊にまとめた短編ギャグ漫画集です。
この「ほりのぶゆき」という漫画家さんはビッグコミックスピリッツで連載していた「江戸むらさき特急」という四コマ漫画が有名だと思うのですが、彼の漫画家としての最大の特徴は「ひとつの題材でしつこくネタを出しまくる」という部分にあります。
言い換えれば「ネタ出しの粘り強さ」がその持ち味。
それで一定のクオリティーを保ち続けるっていうのがすごい。
時代劇をパロディー化した「江戸むらさき特急」の連載終了後、同じ時代劇でも「ちょんまげ」にのみスポットを当てた「ちょんまげどん」という四コマ漫画の連載をはじめたのには驚かされました。
しかも数回限定の短期連載というわけでは決してなく、単行本がそれぞれ何冊か出てるっていうんですから。
野球に置き換えていえば、清原を主人公に四コマ連載を終えた後、新しく清原のピアスにのみスポットを当てた連載をはじめるようなもので。
はっきり言って、普通の作家にとっては自殺行為です。
ネタ出しがかなり大変ですから。
(これがストーリー漫画というなら、話は別なのですが)
で、今回ご紹介する「荒川道場」。
はっきり言って、やや「マニアック」ではありますが、非常に味わい深い野球ネタが満載です。
読んでいると、この漫画が執筆された当時(90年代はじめ〜中ごろ)の野球界の状況が思い出されます。
<登場人物の一例>
◆乱闘で脱がされる堀内ピッチングコーチ(巨人)
◆敵か味方かわからない、謎の新戦力・松永(ダイエー)
◆死のロードで苦しみ、甲子園の幻をみた亀山(阪神)
◆メジャー移籍をもくろむも、野村監督の策略で失敗する池山(ヤクルト)
◆福岡ドームの屋根を開閉するため、地下牢で動力として働かされる若田部(ダイエー)
◆ヤクザみたいな愛甲(当時ロッテ)
1ネタあたりが約4ページで終わる短編漫画ばかりですが、その中で最も僕がお気に入りなのが「川相昌弘 炎の送りバント」というネタ。
ショート作品集ということで、やや1本ごとに「面白さの波」はある一冊ですが、なにかと当時を知る野球ファンには味わい深い作品なのでおすすめします。
野球ファン初心者の方には…おすすめしませんが。
◆「おすすめ野球マンガ」の記事を募集!
いちおう漫画家であるワタクシがプロデューサーという名の「応援団長」をつとめる「きょうろぐ」です。
「カネシゲはいったい何を紹介するのか?」と興味深く見守ってくださってた方もおられるでしょう。
僕がオススメする一冊はこれです。
荒川道場
ほり のぶゆき
きっと、誰も知らない。
平成8年に初版が出ているので、今から10年近く前に刊行された漫画ということになります。
「パロ野球ニュース」という漫画雑誌で時期をとびとびに連載されていたものを、一冊にまとめた短編ギャグ漫画集です。
この「ほりのぶゆき」という漫画家さんはビッグコミックスピリッツで連載していた「江戸むらさき特急」という四コマ漫画が有名だと思うのですが、彼の漫画家としての最大の特徴は「ひとつの題材でしつこくネタを出しまくる」という部分にあります。
言い換えれば「ネタ出しの粘り強さ」がその持ち味。
それで一定のクオリティーを保ち続けるっていうのがすごい。
時代劇をパロディー化した「江戸むらさき特急」の連載終了後、同じ時代劇でも「ちょんまげ」にのみスポットを当てた「ちょんまげどん」という四コマ漫画の連載をはじめたのには驚かされました。
しかも数回限定の短期連載というわけでは決してなく、単行本がそれぞれ何冊か出てるっていうんですから。
野球に置き換えていえば、清原を主人公に四コマ連載を終えた後、新しく清原のピアスにのみスポットを当てた連載をはじめるようなもので。
はっきり言って、普通の作家にとっては自殺行為です。
ネタ出しがかなり大変ですから。
(これがストーリー漫画というなら、話は別なのですが)
で、今回ご紹介する「荒川道場」。
はっきり言って、やや「マニアック」ではありますが、非常に味わい深い野球ネタが満載です。
読んでいると、この漫画が執筆された当時(90年代はじめ〜中ごろ)の野球界の状況が思い出されます。
<登場人物の一例>
◆乱闘で脱がされる堀内ピッチングコーチ(巨人)
◆敵か味方かわからない、謎の新戦力・松永(ダイエー)
◆死のロードで苦しみ、甲子園の幻をみた亀山(阪神)
◆メジャー移籍をもくろむも、野村監督の策略で失敗する池山(ヤクルト)
◆福岡ドームの屋根を開閉するため、地下牢で動力として働かされる若田部(ダイエー)
◆ヤクザみたいな愛甲(当時ロッテ)
1ネタあたりが約4ページで終わる短編漫画ばかりですが、その中で最も僕がお気に入りなのが「川相昌弘 炎の送りバント」というネタ。
場面は病室。
テレビは巨人戦。
代打で出場した川相を見守る少年。
「やったぁ!三塁線絶妙の送りバント まさに職人芸だぁー」
そんなコアな野球ファンの少年の病室に、「一軍で唯一ファンに直接対応できるぐらいヒマだから」というネガティブな理由で川相選手がやってくる。
「今夜の試合で君のためにバントをしよう!そのかわり君も手術を受けるんだ 約束だぞ!」
そしてその試合、長嶋監督に代打として送り出された川相選手は打席に立った瞬間「三塁線へ転がすぞ」という、予告ホームランならぬ予告送りバントを決行し…
ショート作品集ということで、やや1本ごとに「面白さの波」はある一冊ですが、なにかと当時を知る野球ファンには味わい深い作品なのでおすすめします。
野球ファン初心者の方には…おすすめしませんが。