8月12日、日本のセイバーメトリクス研究の第一人者・鳥越規央先生との共著で新刊を出すことになりました。


どんな本かを説明するには本書の「まえがき」をそのまま引用するのが手っ取り早いので、以下に掲載させていただきます。

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知る人ぞ知る、名コンビ!?

――みなさん、こんにちは。漫画家のカネシゲタカシです。
鳥越 セイバーメトリクスを研究している、統計学者の鳥越規央です。
――今回、縁あって鳥越先生と僕が共著というかたちで本を出版することになりました。
鳥越 本書を書きつづるきっかけとなったのは「初めてのセイバーメトリクス講座」ですね。
――はい。17年7月からウェブサイト「スポーツナビ」のコラムとして短期連載され、おかげさまで好評をいただきました。
鳥越 最初4~5回程度の予定だったのが全9回になりましたね。
――お試し登板の先発投手がそのまま完投したようなものです(笑)。そこから鳥越先生主催のトークイベント「セイバー語リクスナイト」が開催されることになり、僕も毎回出演させていただくことに。鳥越 もう10回くらいやってますね。最近ではオンライン配信も併用したりして。


「いま、本当にすごい選手」を過去3年間のデータで解析

――早速ですが、本書はどんな書籍なんですか?
鳥越 「過去3年間(17~19年)の最新データを基にランキングを作成し、様々な部門賞を決めていこう」というのがテーマになります。
――なぜ3年間のデータに絞ったんですか?
鳥越 過去の実績やネームバリューにとらわれず“いま、本当にすごい選手”を見極めるには1年じゃ少ない。2年じゃ物足りない。3年ぐらいがちょうどいいだろう観点からです。
――なるほど。
鳥越 また、この3年間で野球の戦略が劇的に変わったのも大きいです。19年は巨人が2番打者に坂本勇人を置いて優勝しましたし、他のチームも2番に犠打をするようなバッターをほとんど置いていません。
――いわゆる“強打の2番”ですね。かつて日本ハム時代の小笠原道大が2番に入って話題になりましたが、いまではポピュラーな戦略になりました。
鳥越 “打てる捕手”も増えてきました。會澤翼(広島)や甲斐拓也(ソフトバンク)は2桁ホームランを記録しましたし、西武の森友哉はパ・リーグで野村克也さん以来となる首位打者を獲得しました。
――「捕手は守備力重視」という傾向にあったのが、最近じゃ打力優先で起用されるケースが増えましたね。
鳥越 目まぐるしく変化する野球界でこの3年間にフィーチャーするというのは、すごく意義のあることなんです。
――そんな最新プロ野球の本質に迫った本書を、最後までお楽しみください!

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「奪空振り力が高い投手は?」
「バットコントロールに優れた打者は?」
「先発投手の勝ち運・負け運を数値化すると…!?」
「これがホントの守備のベストナイン!」

などなど、野球ファンなら誰もが気になるテーマをセイバーメトリクスも駆使してランキング化。鳥越先生とカネシゲによる対談形式で楽しく掘り下げます。

さらにミニコラムも充実。「LQSってなんだ?」「フォーク打ちの名人は?」「小松式ドネーションをセイバー視点から斬る!」などなど、濃いめの野球ファンのニーズにもハイクオリティスタートでしっかり応える見目麗しき一冊に仕上がりました。

個人的にはその昔いちばんお世話になっていた辰巳出版さんで、昔の仲間と一緒に作ったというのも実に感慨深いです。あと今回の書籍用に描き下ろした約90人分の選手似顔絵もぜひご覧いただきたい。「各ランキングの上位5人だけ似顔絵を掲載しよう」って話で「はいはい、どうせ菅野や柳田が何度も登場するから実質40人分ぐらいだろう」と思っていたら、まさかの90人。おかげで外出自粛も捗りました。






こちら8月12日発売です。野球観戦のお供にぜひどうぞ!

なお8月27日には『野球大喜利 ザ・パッション~こんなプロ野球はイヤだ8~』も発売されます。内容等の詳細は後日このブログでお知らせいたします。



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