カネシゲタカシBLOG

漫画家・カネシゲ タカシのブログです。(旧ブログより2013年春に移転)

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カテゴリ: 日記

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 帯に大きくかかれた「でも、応援するんだよ!!!」の叫び。
「でも、やるんだよ!」(根本敬著『因果鉄道の旅』より)に通じる魂の叫び。


 仲良くさせていただいている村瀬秀信さんから文庫になった『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史』をいただきました。ありがとうございます。

 この本の素晴らしさ、面白さは誰もが知る所。丁寧かつ膨大な数の取材とインタビュー。でもいくら紐解いたって呆れるような事象ばかりが出てくるんですよ。なんたって12球団最多の4522敗を喫した球団の歴史なわけですから。
 夕闇迫る美しいハマスタの表紙の奥には、そんな著者の泣き笑い、日本一というひとときの栄光、また絶望、そして希望がぎゅっと詰まっています。
 “俺はとんでもない球団を愛してしまったんだな。でも、応援するんだよ!!!”という叫びをカタチにしたとんでもない名著です。
 ぜひベイスターズファン以外の方にも読んでいただきたい。ノンフィクションのような、コメディーのような、大河ドラマのような一冊です。

 そして今回の文庫化にあたって加筆されているのは中畑ベイスターズの足跡をたどる「234敗の記憶」。そしてもうひとつ「追録 村田修一が見ていた世界」。前者は僕も にわかベイスターズファンとしてしっかり見届けた234敗のお話。そして後者は僕がタイガースファンとして外から見ていた“村田修一とベイスターズ”の話。なんとご本人へのインタビューである。

 「この本のことは知っています。読みました」という言葉から始まるかつての四番打者の独白は息が詰まるような独特の緊張感をもって進んでいきます。
 元来FA移籍というのは選手と球団とファンの間にモヤモヤとした霧がたちこめて、それはいつまでたってもなかなか消えないものですが、このインタビューを読んだってやっぱりスッキリと晴れるものではない。むしろやや濃くなった感すらある(昨日のSMAPの謝罪生放送を思い出した)。
 
 これらが村田修一本人のメンタリティに由来するのか、球団とファンの個性に由来するのか、移籍先が「巨人」だったからなのか、一概には言えません。でもそれを解き明かすための手がかりは きっとこの一冊に隠されているのでしょう。
 時間をかけてもう一度読み返してみようと思います。




4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史 (双葉文庫)

 しばらく新刊や野球大喜利専用の場と化していたこの「カネシゲタカシBLOG」ですが、思うところあってその更新頻度をあげていこうと決意しました。


 その気楽さから ここ数年はFacebookやTwitterでの情報発信をメインに据えていました。でも、しっかりと残るようなカタチで文章表現を残すならば、やはりブログ以上のものはないだろうと思い直した次第です。


 ご存じない方も多いと思いますが、そもそも僕が野球表現者として世に名前を出した原点はブログ「カネシゲタカシの野球と漫画☆夢日記」(現在は更新停止)でありました。毎日のように更新し、多大なる時間と愛情をそこに費やしたおかげで、当時はたくさんのアクセスをいただく野球エンタメブログとして雑誌などでも取り上げていただきました。そこで得た経験、そして多くの読者さんとの繋がりが、「ツイッター野球大喜利」をはじめとするウェブ上での僕のあらゆる活動の土台となっております。


 あれから10年。今一度原点に立ち返ろうと思った次第です。

 

 とはいえ現在は『みんなの あるあるプロ野球GOGO!』(3月17日発売)の制作に追われており、なかなか思うようには更新できないとは思いますが、それでもこれまでFacebookにサクッと投稿していたようなことをこのブログでできたら良いな考えております。


 というわけで早速ですが、今朝自分のFacebookに更新した文章を再構成して以下に掲載させていただきます。まずはこんなところから始めてみたいと思います。



※ ※ ※



 先日僕が尊敬する野球表現者のおひとり、ノンフィクション作家・スポーツライターの長谷川晶一さんと、とあるお仕事の件で打ち合わせをさせていただきました。それは某野球本へのマンガ執筆のご依頼でした。


 長谷川さんの思いは、端的に言えば「出版不況と野球人気低迷への危機感」からだそうです。「自分の読みたいものを書く」というスタンスから「自分の読みたいものを書いてもらう」という方向へも活動の幅を広げたい、そこから業界の活性化を促したい、その思いのなかでカネシゲにご依頼いただいたと……本当にかいつまんで説明するとそういうことだそうです。


 なんとも嬉しいお話ではありませんか。


 「出版不況と野球人気の低下への危機感」は自分も存分に感じております。そして自分はむしろ後者の方により危機を感じております。


 かつて隆盛の時代があった四コマを中心とした時事野球ギャグマンガ。それはすっかり絶滅危惧種となり、おそらくそれでご飯を食べているのは、冗談抜きでカネシゲタカシが最後の世代なんですよ。僕より下は、たぶんいない。


 その僕とてインターネットや「ツイッター野球大喜利」の皆さんの力を存分に借りた“亜種”たる存続の仕方であり、正統的な生き残り方ではありません。このことが、野球人気低下をはかるひとつのバロメーターと言えるでしょう。もうとっくに“国民的スポーツ”ではなくなりつつあるのです。


 でも、やっぱりマンガっていいんですよ。そのジャンルの魅力を伝えるツールとして、こんな最適なものはない。


 「がんばれ!!タブチくん!!」や「かっとばせ!キヨハラくん」や「パロ野球ニュース」の世界が、いかに野球人気の下支えをしたか。いかに野球という難解 な競技へのやさしい入口として最適だったか(余談ですが、同じことは珍プレー好プレー番組にも言えて、たぶん同様に危機感を感じながらここを引き受けてく れている中居正広という人は好き嫌いを抜きにしてすごいなと勝手に思っております)。


 話を戻します。今回の長谷川さんからのお話。


 カネシゲタカシが「野球+マンガ+???」で表現できる何かを真剣に模索する幸せな打ち合わせ。そのなかでおぼろげながらも「これだ」と思えるものが見えつつあります。


 「楽しんでいる人間を見ることは楽しい」という真理を我々は新庄剛志から学びました。売れるために作るわけではないけど、作るからには売れたほうがいい。だけど自分が楽しめなければ意味がない。そんなものは売れない。


 売れるためにも、自分がまずおもいっきり楽しむのだ。それができる場をつくるのだ。編集のSさん、そして長谷川晶一さんのお力を借りてつくるのだ。


 その熱に人が寄って来くると信じて、まずは楽しむ。それが出版不況と野球人気低下をぶっ飛ばす新たな一歩と信じて。



 ……よし、ハードルは上がった(笑)。あとはがんばるだけだ。


 どうぞよろしくお願いします。



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